シールの糊(のり)について

ラベルは用途に応じた糊の強さ(粘着度)によって使いやすさや貼りやすさなどが変わります。

触るとペタペタしているシールの粘着剤ですが、その種類は大きく分けて一般粘着糊、強粘着糊、弱粘着糊(再剥離)、冷食・冷凍糊、訂正糊、超トイシ、強粘着再剥離糊などの様々なタイプあります。目的や用途に応じて最適な糊が変わってきます。糊のタイプは色々ありますが、すべての素材にそれぞれのタイプがあるわけではないため、糊についてのご相談はスタッフまでお気軽にお電話またはメールをお送りください。

封緘シール

一般糊

紙・フィルム素材共に良く使用される糊で通常はこの一般糊を使用しています。店頭販売されているような食品ラベルの類は通常この糊の材料を使用しているケースが多いです。特に必要がない場合には糊が再剥離になったり強粘着になると一般糊よりも材料価格が高くなるので、無駄にラベルの価格が高くなります。

【こんな環境に適しています】

・シールを貼付ける場所が平面
・シールを貼った後は常温環境で使用される

【こんな用途に適しています】

封緘シール(包装・ラッピング用のシール)
商品ラベル(常温で使用されるもの)
ロゴシール
ノベルティシール
・名刺に貼るシール

オフ輪転フルカラー商品ラベル印刷事例

 強粘着糊

普通糊で剥がれてしまう場合に主に使用する糊です。屋外用、金属用、ハム用、粗面用など様々なものがあります。強粘着糊は用途に応じて2種類あります。

・水溶系強粘着糊(エマルジョンタイプ。屋内用)
・溶剤系強粘着糊(ソルベント。屋外用)

基材によって選択できる糊のタイプは異なりますが、用途に応じて糊を使い分けることも素材選びの重要なポイントになります。なお一般に、水溶系強粘糊は紙素材用、溶剤系強粘糊はフィルム系用になります。素材によっては、冷食糊(冷蔵庫用の糊)や冷凍糊(冷凍庫用の糊)が選択できない場合がありますが、その場合には強粘着糊で代用することもあります。

屋外用ステッカー シルクスクリーン印刷の印刷事例

弱粘着糊(再剥離可能タイプの糊)

シールを貼って一定期間後に糊が残らないで剥がせることを目的に使用する糊です。イベントなどで一定期間貼った後、剥がす用途のシールなどに向いています。同じ弱粘着糊でも糊がとても弱いものから、比較的強くしっかりと貼れるタイプまで幅広いバリエーションがあります。段ボール用の少し糊の強い再剥離タイプもあります。

【糊の強度の比較について】

再剥離糊(弱粘着糊) 一般糊  強粘着糊  超トイシ糊(超超強粘着糊) の順に強くなります。弊社でも製造しているふせんの糊は一番左の弱粘着糊(再剥離)です。

【こんな用途に適しています】

・販売時のガラス食器などに貼る表示用のシール
・家電やパソコンなど、購入後に剥がす必要のあるシールなど

微粘着糊(再剥離)

微粘着タイプのフィルム素材です。微粘着なので被着体を痛めることもなく、また糊も残らず剥がすことが可能な素材です。テレビや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品へ出荷時に貼るラベルやレンズやプラスチックの保護用としても使われる素材です。

・家電製品などに工場出荷時に貼付するシール・ラベルなどで、購入者が使用時には剥がしてしまうラベルなどに使用されます。

訂正用糊

糊面がネズミ色にコーティングされた下地が透けにくい糊のタイプです。訂正シールなどでよく使用されます。輸入品の食料品などに貼付されている表示シールの上から日本語表示の表示ラベルを貼る場合にもおすすめのタイプです。

訂正シール(非耐水・耐水)

用途に応じて、非耐水の紙素材、耐水の合成紙(ユポ)などが選択可能です。材料価格は、アート紙やミラコート紙などの紙素材の訂正タイプの方が、ユポの訂正タイプよりも安価です。特に耐水性が必要なければ紙素材の訂正材料がおすすめです。

シール印刷|訂正シール

冷食糊・冷凍糊

シールを貼った後に低温で保管するようなケースに選択します。食品ラベルなどで、開封後に冷蔵庫で保管するケースなどが該当します。すべての素材に冷食糊や冷凍糊があるわけではないため、冷食用で使用したい場合で、ご希望の基材(素材)に冷食糊がない場合には、強粘着タイプで代用することも一般的には多いです。業務用の冷凍庫などに入れる商品に貼るラベルの場合には、ユポなどの冷凍糊タイプが最適になります。

・食品などの商品ラベル(非耐水・耐水)
・食品などの表示ラベル(非耐水・耐水)

用途に応じて、非耐水の紙素材(ミラコート紙など)、耐水の合成紙(ユポ)などが選択可能です。

部分糊(糊殺し)

シールの接着面に特殊な加工を施して、部分的に非接着面を作る技術。商品から飛び出して貼るPOPシールなど、裏面の特定の部分にだけ糊を残したい場合に行います。

大きく分けて糊殺し加工には2タイプの加工方法があります。1つ目は全面に粘着剤が塗布された通常の粘着材料を使用して、任意の部分(糊殺し加工をしたい部分)にのみ特殊なニスどめ処理を行い、糊が効かなくする方法です。この方法だと比較的小ロットの場合には他の方法よりも安上がりだったりします。2つ目のフィルムを使う場合と比較すると中央に丸く糊殺し加工をしたい場合など、より柔軟に任意の部分の糊殺し加工が可能です。

2つ目の方法は、キルフィルムやパターンシートという透明フィルムのようなもの(糊無し)を使用して原紙の材料そのものを予め加工する方法です。大きなロットの場合などに有効で、特にパターンシートを使用して糊殺し加工を行う場合には糊部分の面積が小さすぎて加工でいないケースでも糊殺し加工ができるため重宝します。形状やサイズ、ロットに応じて最適な糊殺し方法が変わってくるため、お気軽にご相談ください。

POPシール(耐水・非耐水)

糊殺し加工を施したPOPシール

超トイシ糊(超超強粘着糊)

荒い面に貼る場合やシボなどの加工がある面に貼る場合に使用する糊のタイプです。一般には工業用のステッカーや表示ラベルなどに使用されるケースが多いですが、抜き加工断面から糊が若干はみ出てくるケースが確認されているため、樹脂盛り加工などの後加工がある場合には、糊がはみ出るため、お勧めできない糊のタイプになります。工事現場の鉄パイプに貼るラベルや工具に貼るラベルなど、とにかく一番剥がれにくいステッカーを作りたい場合に使います。

・工業用ラベル(耐水)

強粘着再剥離糊

窓ガラスや自販機などに貼るステッカー、自動車やトラックなどの窓ガラスに貼る場合などに使用されます。長期間貼った後に剥がす際にも、比較的糊残り少なくきれいに剥がせるタイプの糊です。ぴたっと、しっかりと貼付けたいけれど剥がす際にはきれいに剥がしたい場合にとても良い糊のタイプです。どの素材でもこの糊があるわけではないので、興味のある方はスタッフまでお問い合わせください。

強粘着再剥離糊には溶剤系と水溶性のものがあり、粘着力は溶剤系の方が強いです。溶剤系は化学臭もあるので匂いがやな場合には水溶性のものがおすすめになります。

Rt-K(リタックK)

Rt-K(リタックK)は紙素材用の強粘着再剥離になります。屋内用のシールで、あとで糊残り少なく綺麗に剥がしたい場合には有効な糊になります。

Rt-H(リタックH)

Rt-H(リタックH)はフィルム用の再剥離糊で比較的粘着力が強い糊になります。耐候性にも優れていて、窓ガラスや自販機などのステッカーとしての使用にも最適な素材です。屋外で使用も可能で長時間貼った後に剥がす際にも糊残りが少なくきれいに剥がせる糊のタイプです。

SP-H(スーパーH)

Rt-H(リタックH)で糊が弱い場合には、SP-H(スーパーH)というフィルム用の強粘着再剥離糊もあり、上記のリタックHと比較して粘着力がより強く、剥がす際にも糊残りが少なくきれいに剥がせる糊のタイプです。リタックHでは粘着力が足りなくて剥がれてしまう場合など、また、曲面やシボ加工などの凹凸部分にも貼ることが可能な糊になります。

上記のRt-HやSP-Hはマルウ接着社製の粘着材料ですが、リンテック社や他社のものでも類似材料がございますのでご依頼内容に合わせて適切な材料でご案内させて頂きます。

窓ガラス用ステッカー(耐水)
・自販機用のステッカー(耐水)

強粘着再剥離の企業ロゴステッカー

糊無しタイプ

ノンタック(糊無し)タイプのフィルム素材です。ガラス面などの鏡面部分に貼る素材で、静電気などで吸い付くように貼れて糊がないため剥がす際にも糊が全く残らない素材です。液晶画面の保護用などの用途に使用されるケースが多いです。マルウ接着の材料だとRt-BNなどがあります。

・液晶画面保護用ラベル

改ざん防止(セキュリティ用途)のタイプ

開封厳禁ラベルなど、セキュリティシールとして使用されることの多い特殊タイプです。貼って剥がすとVOIDや開封の文字が現れて、剥がされたことがわかるようになっている糊になります。検査後の封緘シールとして、化粧品や健康食品、電子機器などの封緘用として、様々な用途に使われています。

弊社で取り扱っているセキュリティホログラムは、文字が現れるのではなく剥がすと蜂の巣状に絵柄が残るタイプになります。

TEケシカイフウ(銀ケシ色)
TEツヤカイフウ(銀ツヤ色)
・TPカイフウ(透明)など

改ざん防止ラベル(セキュリティシール)

上記の写真はTEケシカイフウ(改竄防止用の艶消しの銀フィルム)のVOIDタイプになります。剥がした際に「VOID」と文字が出るタイプと、「開封」と文字が出るタイプの2種類があります。

シールやラベル・ステッカーを正しく貼るためには?

  • 貼る場所に水分や油等が付着している場合は必ず綺麗に拭取ってから貼るようにして下さい。
  • シールは一般的に貼り付け後、約24時間で完全接着します。(24時間経過後に本来の粘着力を発揮します)
  • 粘着剤は高温多湿・直射日光などによりやらかくなる場合があります。そのような場所を避けて保管してください。
  • 冷蔵・冷凍されたパウチの商品などに貼る場合には水分を完全に拭き取ってからラベルを貼ってください。

ラベルマスターでは、国内流通しているリンテック、新タック化成、マルウ接着、王子タック、丸昌化学、コーバンなどの材料でしたらご希望のメーカーのものを使用することも可能です。ご指定の銘柄がある場合には、同じ素材でも原紙メーカーによって価格が異なるケースもございますので、お見積りご依頼時にご指定ください。

シールの素材について

シールの加工について

シールの印刷方法について

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